Virtual to LIVE in 両国国技館 2019で御伽原江良の凄さを知った

12/8の17:00、両国でにじさんじのライブがあった。Virtual to LIVE in 両国国技館、筆者は以下のチャンネルからオンライン視聴をしていたのだが、心が動かされすぎて本当に言葉を失った。

https://live2.nicovideo.jp/watch/lv322887587

ライブというものにはとんと縁がない人間で、今まで聞いた音楽は少ない。学生時代は同級生が話すJ-POPの話題にはついて行けず、ゲームと本が人生の友達で、音楽はゲームやアニメの曲を聴くくらいだ。

なぜここまで曲を聴かなかったのかというと、適正の問題ではないかと思っている。人間の認知力にはある程度の適正があると言われる。視覚、聴覚、言語。本を読み続けてもまったく苦痛を感じない体質の筆者は言語タイプだと思われる。だからこそそれほど音楽というものに触れてこなかった。

Virtual to Liveの2ヶ月前、にじさんじMusic Festivalが開催された。この時も筆者はライブに興味を持っておらず、Youtubeでアップロードされた楽曲を聴いて、いい曲だなと思う程度だった。

だが、ライバーたちがあまりにもにじさんじMFの話題に触れるので、ニコニコチャンネルでライブ配信を見たのだ。

凄かった。

普段配信で見ているライバーたちが動き、大舞台で歌う姿を見るのは、想像以上に心を動かされる。いつもはゲーム以外はほとんどしなくて、歌なんて歌っていないような人たちが、踊り歌う。決して洗練された歌やダンスではないからこそ、ただ頑張っていると感じるのだ。

そしてVtL両国では、ライブというものが面白いことを知ったため、事前にチケットも購入しライブを待ち構えていた。今回ももちろん凄かった。個人的な満足度は前回を遙かに超えた。

言いたいことは本当にいろいろある。一期生や二期生は安定したパフォーマンスを見せていたし、笹木の初ライブでいままでの配信でも歌ってこなかった命に嫌われているを歌ったし、稀にしか見られないさくゆいが見られたし、初お披露目の3Dモデルも素晴らしいし、戌亥と力一は配信でも見せてくれている歌のパフォーマンスが凄かった。

筆者は椎名が歌っている当たりから涙腺が怪しくなり、笹木のソロで涙があふれて、ベルモンドバンデラスだれやねんで、笑ったり泣いたりでわけがわからない状態になっていた。

ここまで期待の先にあるものであったが、一つ予想外だったのは御伽原江良の存在だった。

筆者の中で彼女は奇抜な言動で注目を集める人だった。ライバーにとって注目を集めることは何よりも大事なことで、だからこそそれは間違いではないのだが、どこかで真っ当な道ではないという意識もあった。

だが、最近は御伽原のリスナーに対して向き合う姿勢に凄みを感じている。

御伽原は数日で同期が解雇されて、2019年にデビューしたライバーの中で唯一同期がいない。すがるべき相方が存在しないのだ。その意味をVtuber最強画伯決定戦でリゼヘルエスタが書いた絵を見た時に考えてしまった。

リゼヘルエスタが参加したVtuber画伯決定戦

女は同期のさんばかを絵に描いた。彼女の中ではリスナーの前に前提として同期がいるのだ。2019年組は2人または3人でデビューし、配信でも協力することが慣例となっている。同期の存在によって過酷な競争の世界を生きていけるのだ。

一方で、リスナーにとっては残酷な真実だが、ライバーから見たリスナーはただの文字でしかない。ただの文字でしかない存在が共に夢を描く同士に敵うはずがない。

ライバーはライブ後の感想として、リスナーは本当に存在していたんだ、と言うことがある。

画面の向こうに人がいたことを実感した喜びの言葉だが、普段リスナーがライバーに与えられる情報は残念ながらその程度だ。ライバーが発信する映像と音声にはまったく太刀打ちできず、限りなく一方通行に近い関係だ。

だが、御伽原江良にはリスナーしかいない。だからこそ、リスナーに積極的に触れあい、ただの文字でしかない存在を浮かび上がらせようとするのだ。奇抜な行動もリスナーが一番喜ぶことをしたいという意志の表れで、リスナーを煽ったり、エゴサしていいねやリプを頻繁に行うのも全て同じ理由である。

御伽原は病的なまでにリスナーに向き合っているのである。だからといって御伽原は聖人のような人、というわけではない。彼女の行動原理は強い自己顕示欲だ。だが、膨れ上がった己の欲を飼い慣らし突き進んでいく様に、魅了されているのだ。

そんな御伽原のVtLでの振る舞いは芸人であり、アイドルであった。戌亥とこの圧倒的な歌の後に、二人で歌うオトモダチフィルムという曲と間奏の掛け合い、連続で情緒を揺さぶられる曲の後に来るコミカルさは、リスナーの緊張を一気に緩和させた。その後にソロで歌ったお願いダーリンも彼女が努力し、良い物を見せたいという思いが詰まったものであることを、ひしひしと感じることができた。

そして気持ちが高まったところで突如音声トラブルが訪れた。曲は止まったが、その後観客からは会場全体を巻き込むギバラコールが行われた。ここで、また涙が頬を伝っていった。御伽原江良という存在がにじさんじに無くてはならないものなのだと、みんなが感じている。その事実に心を打たれた。いい歳の人間がライブの映像で泣くなんて恥ずかしいという思いもあるが、それほどの熱量を持っていたのだ。

最大の見せ場とさえ思えたシーンだったが、ニコニコのタイムシフト映像ではカットされてしまった。

御伽原は不運だった。だが他のライバーが同じようなトラブルに遭遇するという姿は想像できなかった。VtL両国では御伽原がトラブルに巻き込まれ、ギバラコールが起きることは必然で、一身に声援を受けるのは御伽原江良しかあり得ないとまで感じてしまった。

熱い応援を受けて、御伽原は自身のパートを完全に見せられないことにいたたまれなさを感じたかもしれないが、そこからの切り替えも素晴らしかった。戸惑いはあっても気落ちした様子も見せず、MCをまっとうした。

あの時の御伽原江良は誰よりも輝いていたと思う。尊敬の念も湧いてきて、ギバラではなく江良ちゃんと呼んだほうがいいかもしれないとさえ思った。

おねがいダーリンの完全版はどこかの機会で見せてほしいと切実に願っている。

御伽原江良の代表作 リングフィットアドベンチャー