ぱんコウじょ(笹木咲、卯月コウ、リゼ・ヘルエスタ)はポケモンソード・シールドで世界を作り出す

○○ロスという言葉がある。

人は素晴らしい作品に触れた時、世界に浸り頭の中がその作品の事で満たされる。一生続けば幸せだが、いつかは終わりがやってくる。アニメもマンガも小説も終わるのだ。そして辛い現実が襲い掛かってくる。満員電車、つまらない学校、会社の日々。またあんな夢を見たいと願いながら、乾いた日常生活を送るのだ。

ぱんコウじょのポケモン配信は自分にとって、そんな存在であった。

概要

本記事は、ぱんコウじょによるポケットモンスターソード・シールドのライブ配信についての紹介記事である。三人同時プレイで全員が20時間以上の配信を行っているが、筆者は笹木咲の配信を視聴していたため、主にその視点から紹介を行う。

ぱんコウじょとはにじさんじ所属のバーチャルライバー、笹木咲、卯月コウ、リゼ・ヘルエスタによる3人組のユニットである。

三人は常に一緒に活動しているわけではなく、ポケモンソード・シールドのプレイを配信する企画で集まったユニットである。にじさんじには総勢89人が所属しており、このように目的に応じて臨機応変にユニットが出来上がる。

3人の関わりについてだが、以前ぱんコウじょ+魔界ノりりむの4人でポケスタの配信をしていた。

笹木とリゼは爆弾処理ゲームをしたり、スニッパーズをやったり、その他複数人のコラボ配信も高頻度で行う仲である。

コウと笹木、リゼは二人でのコラボはないが、多人数でのコラボは複数回、経験がある。またコウとリゼは現代社会に生きるポケモンの生態を妄想する配信、ポケモンのくらしラボでも共演している。

そんな3人がポケットモンスターソード・シールドの企画配信を行った。
ルールは以下である。

・3人でストーリーを同時進行する

・規定のタイミングでバトルし、勝者は敗者から好きなポケモンを1匹奪える

・お互いの配信を見て、情報を集めてもよい

2番目のルールで奪えるポケモンに制限はないが、バトルで使用したポケモンのみである。バトルに参加してさえいれば、御三家と言われる最初にもらえるポケモンでさえも奪うことができる。

なかなかにシビアなルールと思ったのではないだろうか。自身が所持するポケモンは友達であり、数々の苦難を一緒に乗り越えていく存在である。奪われるのはかなりの精神的苦痛を伴う。しかもポケモンの実力ではコウが頭一つ抜けている。コウは配信でも、金ネジキと言われる高難易度のポケモン対戦配信をしているし、過去にレーティングバトルで好成績を残していると発言している。ポケモンの対戦はルールが非常に複雑なので、対人経験の差は容易には埋まらない。笹木とリゼが一方的にポケモンを奪われ続けるとしたら、あまり楽しく見られないかもしれない。そんな不安を感じながら、視聴を開始した。

本文

一抹の不安を残して始まったポケモン配信だったが、この3人初っぱなからとんでもないものを見せてくれた。

リゼの視点で3人がオープンニングを流しているシーンを見て欲しい。時間にして2分ほどだが、筆者がぱんコウじょにのめり込んだ理由のほぼ全てがそこにあると言ってもいい。

感想はいかがだろうか。20年以上続く人気シリーズ、数年ぶりの新作ゲームではある。だが、言ってしまえばゲームのオープニングにすぎない。そんなオープニングに対してここまで興奮しているやつらを筆者は見たことがない。

もし疑うなら、試しにいろいろな人がオープニングを見ているシーンを眺めてほしい。もちろん誰もがポケモンへの期待に胸を膨らませているだろうが、早くゲームをやりたいが本音だろう。

だがこの3人は違う。ポケモンの世界に戻ってこれたことに歓喜している。自分たちが夢想したポケモンの世界が、更に素晴らしい表現力を持って帰ってきた。その想いに浸っているのである。

オープニングが終わったタイミング、リゼの表情がこれである。

あらゆる事に興奮し叫び続けて、感極まった果ての表情だ。これだけで、新作のポケモンをどれだけ楽しみにしていたかがわかる。

ポケモンに興味がない人間ですら、これを見ればポケモンをやりたくなるだろう。

オープニングの鑑賞を終えた3人はやっとプレイを開始する。一度は通話を切り、笹木は主人公の家の周りや部屋を見て回っていたのだが、突如としてリゼが通話を繋いできた。

「笹木さん! 笹木さん!」とリゼはかなり慌てた様子だ。「その場でスティックをグルグルしてみて!」とのこと。笹木はリゼの言葉に従った。決めポーズを取る主人公を見て、笹木は驚き絶叫する。

そのままコウにも教えてあげようと、興奮したまま2人は通話を繋ぐ。2人の指示の従ったコウもまた吠えた。オープニングでも見せた3人の興奮が繋がっていく感覚が、視聴している側の人間にも伝わり最高に心地が良かった。

その後また通話を切り、ストーリーを進めていくのだが、笹木のテンションはその後もほとんど変わらず、ポケモンバトルをしていても、フィールドを探索していても、街の人に話しかけても楽しそうだった。

ワイルドエリアを抜けた笹木はリゼと通話を繋いだ。協力プレイを行うため、ステッカーというフレンドのゲーム状況に関する通知を受け取りたいのだが、なぜかリゼのステッカーが表示されない。コウのステッカーも表示されなかった。心当たりがあった笹木はリゼにフレンドのオンライン状況を公開するように提言する。そしてリゼのステッカーが見えるようになった。コウにもその事を伝えると、「当然、非公開でございます!」と返答。

「当たり前だよなあ?」と喜ぶ3人。

この3人のポケモン好き以外の共通点、いわゆる”陰キャ”である。ゲームをやっている最中に他人に割り込まれることを嫌がっているのである。陰キャ――繊細な人間は、他人の挙動によってストレスを溜めやすい。似たような性質を持つこの3人は、快適にポケモンをプレイするという意味でもベストな組み合わせだった。

その後3人はいろいろな場所で寄り道をして、6時間越えの配信でもジムバッチを一つもゲットできずに終わってしまった。次の日になり、やっと最初のバッジをゲットする。3人とも進捗を合わせた状態で、初めてのバトルが始まった。結果については以下のアーカイブ動画を見て欲しい。

勝敗が明らかになり、ポケモンを渡す時間がやってきた。別れは辛くもあったが、それでも救いはあった。少なくとも敗者が取られたくないポケモンを無理矢理取り上げることはなかった。勝者が敗者に渡したポケモンの中には、育て甲斐のあるポケモンも混じっていた。

3人は交換で得たポケモン育てた。3人のポケモンが入り乱れて活躍して行く姿を見ると、これまでの配信であった出来事を思い出し、感慨深かった。

また負けた人は負けっぱなしではなく、次の戦いに備えて反省し、準備を怠らなかった。旅と戦いは人を成長させる。ポケモンの世界と同じように、3人は相互に影響を与え成長した。笹木も最初の対戦が終わった後はリゼとコウの反省会の会話にも混じれなかったが、最後の対戦の後にはいっぱしの意見が言えるようになっていた。

まだ最初の対戦までしか紹介できていないが、ここまでで十分にぱんコウじょの魅力が伝わると感じたので、以降はアーカイブ動画を見てほしい。膨大だが、見る価値はあると断言できる。

そして「ずしり」との対戦も見て欲しい。ずしりは、同じくにじさんじに所属するバーチャルライバー、葛葉、椎名唯華、魔界ノりりむの三人組ユニットである。

ポケモン配信のシメとして、ぱんコウじょは同じくポケモン配信をしていたずしりとの対戦を行った。配信を通じて得た成長と、培った絆をこれでもか、というほどに見せてくれた。

まとめ

進捗を合わせてプレイ、対戦という配信形式がとても素晴らしかった。

三人の見ている景色がとても似ていて、全員の一体感によって完結した世界を造り出していた。ほんの少しでもズレがあれば、おそらく世界は壊れていた。神は細部に宿るのである。同時プレイを行えば、視聴者側もまたその世界の内側に入ることができる。是非プレイして、ポケモンの魅力を知ってほしい。

最後に長時間走り続けた三人に深い感謝を述べたい。ありがとう、ぱんコウじょ。